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2015年4月8日

インスピレーション:村上春樹の「チャンドラー方式」

モレスキンノートブックに「何を書けばいいか分からない」「長い文章を書けない」という悩みを持っている人もいるようです。文章のプロフェッショナルたちは、書くアイデアをどのようにひねり出しているのでしょう?例えば、小説家の村上春樹さんは、アメリカの作家レイモンド・チャンドラーが小説を書くために行っている習慣を採用しているのだそうです・・・

389px-William-Adolphe_Bouguereau_(1825-1905)_-_Inspiration_(1898)

「まずデスクをきちんと定めなさい、とチャンドラーは言う。自分が文章を書くのに適したデスクを一つ定めるのだ。そしてそこに原稿用紙やら(アメリカには原稿用紙はないけれど、まあそれに類するもの)、万年筆やら資料やらを揃えておく。きちんと整頓しておく必要はないけれど、いつでも仕事ができるという態勢にはキープしておかなくてはならない。

そして毎日ある時間をーたとえば二時間なら二時間をーそのデスクの前に座って過ごすわけである。それでその二時間にすらすらと文章が書けたなら、何の問題もない。

そううまくいかないから、まったく何も書けない日だってある。書きたいのにどうしてもうまく書けなくて嫌になって放り出すということもあるし、そもそも文章なんて全然書きたくないとういこともある。あるいは今日は何も書かない方がいいな、と直感が教える日もある(ごく稀にではあるけれど、ある)。そういう時にはどうすればいいか?

たとえ、一行も書けないにしても、とにかくデスクの前に座りなさい、とチャンドラーは言う。とにかくそのデスクの前で、二時間じっとしていなさい、と。

その間ペンを持ってなんとか文章を書こうと努力したりする必要はない。何もせずにただぼぉっとしていればいいのである。そのかわり他のことをしてはいない。本を読んだり、雑誌をめくったり、音楽を聴いたり、絵を描いたり、猫と遊んだり、誰かと話をしたりしてはいけない。書きたくなったら書けるという体勢でひたすらじっとしていなくてはならない。たとえ何も書いていないにせよ、書くのと同じ集中的な態度を維持しろということである。

こうしていれば、たとえその時は一行も書けないにせよ、必ずいつかまた文章が書けるサイクルがまわってくる。あせっってよけいなことをしても何も得るものはない、というのがチャンドラーのメソッドである。・・・」

村上春樹著『村上朝日堂 はいほ〜!』(新潮文庫)より一部抜粋

Image:ウィリアム・アドルフ・ブグロー(1825-1905)作, “Inspiration” (1898) /Wikicommons

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