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03 11月 2018

季節の詩:星のめぐり歌

PaulaCatao
Image by Paula Catao “Star Diary” from myMoleskine

星めぐりの歌

あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。

オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。

大ぐまのあしを きたに
五つのばした ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。

宮澤賢治 作(青空文庫より)

17 10月 2018

鉛筆 1 本で楽しむカリグラフィー

万年筆のペン先を繊細にコントロールして生まれる美しい文字の数々…… 手書きを楽しむ人にとって、カリグラフィーは憧れのライティング手法です。でも、初心者の私たちには、万年筆もインクを必要ありません。まずは鉛筆 1 本からスタートしてみましょう!

ロンドン・グラフィック・センターの Facebook より

23 4月 2018

季節のページ:4月23日は「世界本の日」

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Image by Noriko Thomas from myMoleskine

「エーコは言っています。『人類はまさに途方もない存在です。火を発見し、都市を建設し、見事な詩を書き、世界を解釈し、神話の神々を絵に描きました。しかし同時に、同胞を相手に戦争を繰り返し、互いに騙しあい、環境を破壊しつづけてきました。知的で崇高な美徳と低俗な愚行を合わせて評価すれば、中くらいの点数になります。したがって、愚かしさをテーマに語ろうとは言ったものの、これは、半分天才で半分馬鹿という、この人間という存在に対するオマージュなんです』

書物がもし、幸福と長寿を追求する人間の熱意と能力を正確に反映したものなら、この過剰な名誉とこの下劣さを必然的に伝えているはずです。ですから、我々もまた、偽りと間違いだらけのこれらの書物を、ひいては自分たちの絶対的に正しい意見などというまったく馬鹿げたものを、お払い箱にできるなどとは思わないようにしましょう。」

NorikoThomas2
Image by Noriko Thomas from myMoleskine

「書物は影のように忠実に時代の果てまで我々についてきて、在りし日の我々についてだけでなく、現在の我々についても、正直に語るでしょう。つまり書物とは、情熱的で粘り強いが、そのじつ歯に衣着せぬ追跡者なのです。間違いというものは、それを犯した人間が何かを求め、間違えた場合に限り、人間的です。解決済みの方程式、証明済みの仮説、改良済みの試作品、共有済みの見解のそれぞれには、どれだけたくさんの行き詰まりがあったことでしょう。このように書物は、うんざりするような卑劣さからようやく解放された人類の夢を物語るものであるのと同時に、その夢を陰気に曇らせるものでもあるのです。……」

ウンベルト・エーコ&ジャン=クロード・カリエール
『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』序文より

25 3月 2018

エイミのノートブックより:レモン哀歌

エイミさんは気に入った言葉や詩、歌、出来事があると、備忘録代わりにモレスキンノートブックに書き留めているそうです。エイミさんのノートブックを見せてもらうと、日本詩の名作が書写されていました。

文字にしても、朗読しても本当に美しい詩です。みなさんもこの詩を手書きで書き写してみませんか?

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レモン哀歌

そんなにもあなたはレモンを待ってゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉(のど)に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸をして
あなたの機関はそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光るレモンを今日も置かう

作・高村光太郎
詩集『智恵子抄』より

エイミさんをフォローしよう!Twitter へ

*エイミさんが Twitter で参加している #深夜のゆる書写60分一本勝負 では、毎週水曜日23時に @yuru_syosya さんから名作の一文がお題として出るそうです。興味のある人はぜひ参加してみてくださいね 🙂

15 3月 2018

インスピレーション:アイデアは「どこに」やってくるか

Marika
Image by Marika “Idea is everywhere”, from myMoleskine

「本を書く人は、どうやってアイデアを思いつくの?」という質問に、イギリスの児童文学作家フィリップ・プルマンは次のように答えています。

「本を書く人10人にこの質問をすると、10のちがう答えが返ってくるでしょう。はるかむかしの詩人たちは、ミューズの神を信じていました。ミューズは、インスピレーション(ひらめきともいえるもの)をもたらしてくれるという、ギリシャ神話の女神です。九姉妹の女神たちが、叙事詩、悲劇、踊りなど、それぞれ芸術の異なる分野をつかさどっていると考えられていました。だから詩人や音楽家は、女神たちからすばらしいアイデアをもらいたくて、祈ったり、ささげものをしたりしていたのです。

今ではミューズの神を信じている人はいないと思いますが、むかしの人が信じていた理由はよくわかります。アイデアはどこからともなくやってくる不思議なもので、自分は作家だとどんなに言いはっても、必ずよいアイデアを思いつくわけではありません。アイデアは、わけもなく、どこからともなく、不意にわいてくるように感じられます。

それでも、準備を整えておくことは大切です。どこからアイデアを思いつくかと質問されると、わたしはよくこんなふうに答えます。『どこからやってくるかはしりませんが、どこにやってくるかは知っています。アイデアはわたしの机にやってきます。そしてわたしがそこにいないと、またどこかに行ってしまいます』。つまり、実際に机の前に座っていなくてもいいし、どこにいたっていいのですが、よいアイデアがやってきたことに気づくよう、そしてやってきたら何かをできるよう、準備をしておかなければならないということです。……」

『世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え』(河出書房新社)より一部引用

31 12月 2017

どんどん鐘を鳴り響かせなさい 〜 Ring Out, Wild Bells 〜

Pietro
Image by Pietro @CityLiveSketch from myMoleskine

どんどん鐘を鳴り響かせなさい
~Ring Out, Wild Bells~

風吹きすさぶ冬の荒涼とした夜空に、鐘を大きく鳴り響かせなさい、
飛びゆく雲、凍てついた光、夜のうちに年はまさに暮れゆこうとしている、
鳴り響く鐘よ、大きく鳴り響きなさい。
古い年を追い出してしまいなさい。

古いものは鐘を鳴らして追い出して、新しいものを迎え入れなさい、
幸福な鐘を、雪を越えて、鳴り響かせなさい。
今年が去ろうとしている、行かせてしまいましょう、
今までの偽りのものを鐘を鳴らして追い出して、真実なるものを迎え入れましょう

じわじわと人の心の生気を弱らす悲しみを、鐘を鳴らして追い出しましょう、
私たちがこの世でもう見ることができなくなってしまった人々のために
豊かなものと貧しいものの争いを鐘を鳴らして追い出しましょう
すべての人類に対する救いの手を鐘を鳴らして迎え入れましょう。

ゆっくりとすたれゆく主義主張、
昔ながらにある党派の争いを追い出してしまいましょう。
よりよい作法と、より純粋な法律をもった
人生の最も気高い新しい政治の習慣を迎え入れましょう。

欲望、心配ごと、罪、規則だけ主張して
愛情のない時代の進行のない冷淡さを送り出しなさい。
私の悲しみの歌を、鐘を鳴らして送り出しなさい、
その代わりにもっとすぐれた完全な歌を迎え入れましょう。

地位と血統の間違った誇りを送り出しなさい、
人間同士の争いと憎しみ合いを送り出しなさい。
真実と正義に対する愛を迎え入れましょう、
善に対する普遍の愛を迎え入れましょう。

精神や道徳の様々な墜落を送り出しなさい、
金ばかり追い求めている心の狭さを追い出しなさい。
古から我々人類が繰り返す幾戦もの戦いではなくて、
千年続くという平和の鐘を鳴らして呼び込みましょう。

自由に、勇敢に行動する人を鐘を鳴らして迎え入れましょう、
心がより寛くて、より優しい行いをする人を迎え入れましょう。
この地、イギリスの暗闇を送り出して、
これから来るであろうキリストを我々の手でもって迎え入れましょう。

作 Alfred Lord Tennyson (1809-1892 イギリス詩人)
訳 大森恵子

24 12月 2017

minnyとクリスマスツリーの詩

minny67
Image by minny(minnyさんの以前の記事へ)

『クリスマスツリー』

見あげれば
枯れ枝にちりばめられた
夜空の星星

貧しく悲しむ子どもたちに
クリスマスツリーは
お外にあるよと

きみのためにあるよと

作:高畑耕治(詩人、1963-)

*世界中の人々の心が平和でありますように……メリークリスマス!

26 11月 2017

MOLESKINE が発信するデジタルマガジン「The Fold」が創刊

TheFold

モレスキンが創刊した新しいデジタルマガジンを知っていますか?英語のコンテンツのみですが、クリエイティブな人たちの物語が数多く掲載されている美しいウェブサイトです。ぜひ一度訪ねてみてください。

The Fold は、フェミニストな女性であることの貢献、重要性、価値についてフォーカスした、“不確かな時代”に生きる女性のためのデジタルマガジンです。The Fold は、Amanda Carter Gomes(アマンダ・カーター・ゴメス)と女性を代表するライターやクリエイターのグループが共同で創刊・編集しており、常に進化しつづけ、変化を受け入れ、何歳になっても革命を起こす自信を持った人たちに注目しています。The Fold では、アーツ&カルチャー、人との関わり、健康、母性、お金、パーソナルスタイル、政治といったテーマを用意し、博識な女性になることに関連するあらゆる問題をとりあげています。」

The Fold はこちらへ
https://thefoldmag.com/

08 11月 2017

インスピレーション:ミルンのエッセイより『日記の習慣』

イギリスの名エッセイスト ミルンが書いた文章の中に、『日記の習慣』と題した興味深いエッセイを見つけました。日記の習慣が廃れてきたこの時世について思考をめぐらしています。

「……多数の日記は、胸躍るような経験に乏しいので、内面の冒険を書き記すことになるのだと思う。「今日ボンド通りでライオンに襲われた」と書けないにしても、せめて「今日セントポール大聖堂で疑惑に襲われた」と書くことなら可能である。大多数の人はライオンには出会わないので、何も書かないか、それともせいぜい「理髪師の硬いブラシでやられた」程度のことを書くのである。しかし、何かしら書きたいという人もいて、そういう人は内面についてなら、自分独自のことが書けるのである。

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Image by Melisa Sener from myMoleskine

「しかし、日記をつけるあらゆる人の心には、自分の日記がいずれ公表されたらという願望があるのは勿論である。いつか未来の世代に発見され、二十世紀人は素朴なことしかしていなかった驚かれるかもしれないし、あるいは、亡くなったばかりの偉人の内面生活を知りたい願う次世代によって出版を要請されるかもしれない。一番よいのは、日記が書き手自身によって自叙伝の中で活用される場合である。

そう、日記をつけている人は将来自伝を書くことを視野に入れておかなくてはならない。自伝で、すっかり忘れていたことについて、「覚えているが」とか「はっきり覚えているが、日曜に昼食で某氏と会い、彼にこう言ったのだ」と書けるためには日記がなければならない。

何を言ったかはどうでもよい。優れた著者が老年においても素晴らしい記憶力を失わなかったと読者に思わせるのに役立てばよいのだ。」

アラン・アレクサンダー・ミルン『日記の習慣』より一部抜粋
行方昭夫 編訳『たいした問題じゃないが』(岩波文庫)

15 8月 2017

8月15日:終戦の日

GeorgiaKittyHarris
Artwork by Georgia Kitty Harris from myMoleskine

「…… チンパンジーは思いやりがあり利他的行動をとります。彼らの豊富な非言語コミュニケーションでは多岐にわたって音を使い分けます。触ったり身構えたりジェスチャーも使います。キス、抱擁、手つなぎ、背中をポンと叩く、威張り歩く、こぶしを振り回す。人間がやるようなことをして、その脈絡も同じです。仲間同士の協力も高度です。時に狩りをしますが、チームワークは大したもので、捕った獲物も分け合います。人間同様に喜び、悲しみ、恐れ、絶望といった感情を持ち合わせ、精神や肉体面の苦しみもわかっています。

… トップクラスの大学では学生が動物の感情や性格を勉強しています。チンパンジーや一部の動物は、鏡に映る姿を自分と認識できます。彼らはユーモアを理解し、それはもはや人間のみの特権ではありません。これはチンパンジーのみならず地球に共存する他の動物に対する敬意を我々は教えられているのです。……

…… 最後の木を切り倒したイースター島の人は愚か者?状況を理解していなかった?世界に存在する壊滅的な貧困を体験すれば、明日のために木を残そうとは言ってられません。今日食べるものさえ無い状態。この最後の木を売ってお金に変えれば、少しでも生き延びられるはず。あとは祈って何かを待つだけ。死から遠のくために…

こんなに残酷なんです。我々が併せ持ち、チンパンジーや他の生き物と違うと言い切れるのは、この《高度な話し言葉》です。子どもたちに身近な物事を伝えられる言葉です。ずっと昔から遠い未来の話まで、お互いに意見交換して大勢の知恵から認識を高められます。それには会話が必要、ビデオや書き言葉でもいいでしょう。なのに我々はこの偉大な力を正しく使わずに世界を壊しています。先進国ではなお悪い。愚かな行動を犯す知識を持ち過ぎているのです。……」

『ジェーン・グドール:類人猿とヒトを分かつもの』より一部抜粋

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